ロンドン市場序盤、ポンド/ドルは1.3268〜1.3270ドル近辺まで上昇し、約1カ月ぶりの高値を更新した。ここ数日、英国政府の財政計画への期待や、イングランド銀行(BoE)が今後金融緩和に動くとの思惑を背景に、ポンドは5営業日連続で上昇していた。
英国債(ギルト)利回りの低下も追い風となり、ポンド建て資産の魅力が高まっていたが、一部のトレーディングデスクからは、この水準では割高感が意識されやすく、投資家心理がわずかに悪化しただけでも反落に転じるリスクがあるとの警戒感も出ていた。
午前後半:慎重姿勢が強まり反落
午前後半になるとポンドには売りが優勢となり、対ドルで約0.15%安の1.3219ドル前後まで反落した。
きっかけとなったのは、政府の財政再建計画の持続可能性に対する懐疑的な見方の台頭だ。見かけ上は「財政余地」が拡大し、減税や支出計画が示されたものの、実際に負担増につながる措置の多くは次期総選挙後まで先送りされており、信認を損ねかねないとの指摘が相次いだ。
加えて、生産性の伸び悩みや低成長、粘着性の高いインフレなど、英国経済の構造的な課題も引き続き重しとなった。ある為替ストラテジストは「ポンドはここまで十分に上昇しているが、ファンダメンタルズが大きく改善したわけではない。持続的な上昇を正当化する材料はまだ乏しい」とコメントした。

午後:レンジ相場でのこう着感
午後の取引では、ポンドは1.3200〜1.3225ドルのレンジで推移し、方向感に欠ける展開となった。ボラティリティは低下し、積極的なポジションは控えられ、キャリートレードやテクニカルトレーダー中心のフローが目立った。ユーロ/ポンドは0.874〜0.875近辺までじり高となり、ポンドに対するユーロ買いがやや優勢となった。
引けと今後の注目材料
ロンドンと米国の両市場が引けに向かう中で、ポンドは高値圏から小反落して取引を終え、ここ数日の上昇トレンドの脆さを浮き彫りにした格好だ。今回の反落は、予算案が示す財政再建の道筋に対して、市場が依然として慎重であることを示している。
今後は、英国のインフレ指標やGDP、生産性などのマクロ統計、そしてBoE関係者の発言が焦点となる。ファンダメンタルズが期待に追いつくかどうかが、ポンドの中期的な方向性を左右しそうだ
